予備校の代々木ゼミナールが規模を縮小、というニュースが流れてきました。
1年間お世話になった予備校で、私にとって感慨深いものがあります。
大手予備校が本部以外にも各地に校舎を展開する以前のことです。
雲

高校卒業時に受験した全ての大学に不合格で、おまけにS予備校の試験にも落ち、自信喪失、なにもやる気のない時でした。
ちょっと前まで東京で学生生活を送っていた姉が「申し込んだら入学できる予備校があるから」といって、私を置いて東京に行き、予備校と下宿先まで決めてきました。その予備校が代々木ゼミナールだったわけです。

4月東京で浪人生の下宿生活が始まりました。初日の不安な気持ちは「言葉の感覚-2」をご覧下さい。

自信喪失、慣れない土地、そんな中で授業を受け始めたわけです。
極始めの数学の授業でした。ひょっとしたら最初の授業だったかもしれません。土師(ハジ)先生といったと思います。
「各自三平方の定理(ピタゴラスの定理)」を証明してみなさい」という課題を出しました。受講生がノートに直角三角形を描いて、証明を考えているのを先生は机間を回りながら眺めていました。

私も考えはじめましたが、よく知られている証明は記憶があやふやでした。そこで別の方法を考えはじめました。
直角三角形の直角を挟む2辺(長さaとb)をそれぞれベクトルabとすれば斜辺(長さc)はベクトルc=a+bとなる。
ベクトルabは直交しているからabの内積(a,b)=0
cの2乗=(c,c)=(a+b,a+b)=(a,a)+2(a,b)+(b,b)=(a,a)+(b,b)=aの2乗+bの2乗
数行で証明が完了してしまいました。

しばらく時間をおいて、先生は受講生に向かって話しはじめました。
「教科書にはユークリッドの証明を載せているが、細部まで覚えている者はほとんどいないようだね。
ユークリッドの方法以外にもいろいろな証明があるが、ベクトルを使えば数行で証明ができる。」といってまさに私がノートに書いた方法を黒板に書きはじめました。
そして<正解は一つではない、捕われない発想を活かせ・・>といったような言葉を受講生に話したと思います。

自信喪失のどん底から明かりが見えてきた思いでした。

土師先生は受講生全体に話していたのですが、その時の私にとっては、<私に>向かって話して下さったかのようでした。
直接会って話をしたことはありませんでしたが、自信喪失の状態から勇気を与えてくれた土師先生、まさに私の恩人です。

プロフィール

m.k.masa

Author:m.k.masa
諸々の事柄に、なぜ?、どうして?という感覚をも持ち続けたい幼稚園園長です。
京大理学部卒、大学院修了
(うさぎ年です)

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